マシジミとタイワンシジミの違いと同定方法(見分け方)を写真付きで解説

こんにちは、こんです。

宮城県で淡水貝類を見ています。

近所の水路で魚とりをしてみたら、シジミがいた!なんで経験があるひともいるのではないでしょうか。

そのシジミ、何者ですか?

日本の淡水の池や川に生息するのは、マシジミです。
淡水に生息する外来種はタイワンシジミです。

海水が混じる汽水域に生息するのが、スーパーや食卓で見るヤマトシジミです。

淡水のシジミは2種しかいないのに、違いがわかりづらいです。
しかも淡水の貝は人気がないのか、現在市販の専門の図鑑がありません。

この2種を識別できたら、かっこいいですよ!
日本の淡水シジミがわかると胸が張れるからね!

今回記事で使った写真は、どちらも同じ場所でとれたシジミです。
2009年に生息していたマシジミと、2020年に生息していたタイワンシジミ。
数年で生息している種が完全に入れ替わってしまいました。
恐ろしい。

シジミ類の各部の名称

シジミ類各部の名称

貝にも前後左右があります。

左右ですが、貝類は左右対称ではないんですよ。
殻頂を中心として横長に広がっている方がうしろです。

そして殻頂を上にして立てて、横長に広がっている後縁(後背縁)を方位でいうと南にして、上から眺めて左側が左殻、右側が右殻になります。

もう一点、わかりづらいところが小月面と楯面です。
殻頂部両側にある、殻を閉じたとき、平らになる部分です。
前縁(前背縁)を上にして、上から眺めて見えるほうが小月面。
後縁(後背縁)を上にして、上から眺めて見えるほうが楯面です。

わかりづらいですよね。
僕もそう思います!

タイワンシジミ

タイワンシジミとは

タイワンシジミ生息地の青葉山公園
タイワンシジミが生息する公園の水路

中国などからの輸入活シジミの増加に伴い、国内にも定着するようになりました。
国内では1987年に岡山県倉敷市で初めて確認されました。

シジミは卵胎生のため、保育状態のシジミの砂だしや洗浄をすると稚貝が吐き出され、水路に放出されてしまいます。
川の上流で放出されると、かなりの速さで流域内に拡散されます。

精子量が著しく多く、マシジミと交雑すると遺伝型はタイワンシジミになります。
タイワンシジミが入ると、4年ほどでマシジミと置き換わってしまうといわれています。

タイワンシジミはマシジミと比べると、高密度に生息します。

僕も、マシジミだけ生息していた水路が、数年でタイワンシジミのみが高密度に生息する水路に変貌するのを見ています。

最近一つ大きい謎があって、上流に民家等の人工物がない場所でもタイワンシジミが捕れることがあります。
流入経路が不明なのですが、もしかしたら釣り人や、僕たちのように川が好きなひとの長靴やウエーダーにくっついて運ばれてしまっているのかもしれません。

タイワンシジミの特徴

殻表面が鮮黄色から濁黄色、オリーブ色など淡色系が多い

タイワンシジミ_色

タイワンシジミが大量に生息している場所で、中~小型の個体のほとんどは淡黄色やオリーブ色です。

生息密度が高く、淡黄色やオリーブ色のシジミが多くを占めていたら、その時点でタイワンシジミを疑います。

場所によっては、水路を上から見ただけで目立つことがあり「キタッ!」と反応してしまいます。

殻表面の輪肋間がマシジミより広く、規則的に配列。

タイワンシジミとマシジミの輪肋間比較

輪肋とは貝表面の年輪のような模様で成長肋ともいいます。
タイワンシジミの輪肋間は、マシジミより広いです。
つまり、成長速度は速いと推測されます。

僕も比較写真を撮るまでは、ここまで差があるとは思いませんでした。

小月面や盾面が色分けされたり輪郭が明瞭
(マシジミの淡色型にもある?)

タイワンシジミ_の小月面と楯面
タイワンシジミの小月面と楯面2

慣れるまでわかりづらいかもしれません。
殻を閉じたときに合わさっている部分です。
前縁側が小月面、後縁側が楯面と呼ばれます。(各部名称を見てね)

場所によってわかりやすい個体群がいたり、いなかったり。

たしかにタイワンシジミの小月面や盾面は色分けされている傾向があります。
なので、色分けが確認されたらタイワンシジミの可能性が高いとみていいです。

ただ、マシジミにこのパターンがないとは、僕は言い切れないので、貝の内面を確認して、シジミの同定を完了としています。

内面が白色系の場合、鉸歯は淡紫色から黒紫色に染められる
(カネツケシジミ型)

タイワンシジミのカネツケシジミ型内側
タイワンシジミのカネツケシジミ型外側

僕はこれが一番わかりやすいと思います。

内面全体が白く、鉸歯だけが紫色になります。
これで、タイワンシジミ一発決定です。

殻内面は白色・藤色・帯桃色などがあり、青色系では殻頂部付近が濃く、殻縁に向かって淡くなる

タイワンシジミの黒紫色内側
タイワンシジミの黒紫色外側

内面全体が濃い紫色で、殻縁だけが黄淡色です。

カネツケシジミ型とこの内面パターンが、ほとんどのタイワンシジミに当てはまります。
特に中~小型のタイワンシジミは、白か黒紫色か、みたいな2色に分かれます。

幼貝時に茶褐色の細い放射状線がある

タイワンシジミ幼貝の放射状線

あまり目立つ識別点ではないです。
よく見ると殻頂部から殻縁部に向かって放射状に線があります。
大きい個体にはなく、幼貝や小さい個体は目立ちます。

いちおうですが、すべての幼貝にこの線がついているわけではないです。

マシジミ

マシジミとは

本州、四国、九州にある、淡水の河川や水路、ため池に広く分布する。
環境としては少しでも流れがある場所で、底は砂や砂礫地を好みます。
ドブガイ類が生息する泥っぽい所ではほとんど見かけないです。

最近、タイワンシジミの定着に伴い、生息地が減少しているように見えます。

味は、旨味がなく泥臭くて、おいしくないです。
タイワンシジミと同じ味です。

マシジミの特徴

内側は白~青白色で殻縁に向かって急に濃くなる。

マシジミ内側
マシジミ外側

簡単に言えば、内側殻頂部が白っぽく、外側にいくと急に暗色になります。
なので、殻縁部は帯状になります。

タイワンシジミのような殻縁部の淡色はないと書いていますが、内側の縁は茶色くなっているので、この識別点は気にしなくていいです。

ヤマトシジミとタイワンシジミ、ヤマトシジミの味の違い

こんくん

やっぱり味がいちばん大事よね

スーパーで売ってる、皆さんご存じのシジミはヤマトシジミです。
おいしいやつ!
僕は青森県の津軽半島出身なので、十三湖産のシジミは特別に愛着があります。
黒くて美しいのよ。
形もかわいらしいシジミなんです。
バターと塩コショウで殻ごと炒めて食べるのが、一番だな!

タイワンシジミとマシジミは、ヤマトシジミと違いおいしくありません。
どちらも結構食べましたが、双方に味の違いはないです。
味は淡泊で、うまみがまったくなし。
口に入れるとふんわりと泥の香りが鼻の奥に広がり、食欲を減退させます。
売ってても、買わないかな。

海水がうま味をつくるのかもしれないですね。

余談ですが、僕がシジミにはまっていた2010年以前はスーパーで怪しいシジミをよく目にしました。
産地は日本なのに、色も形も変なの。
今は変なシジミ見ないですね。ふしぎ。

タイワンシジミとマシジミの違いまとめ

高密度に生息しているシジミを見つけたらタイワンシジミを疑いましょう。
小月面、楯面、幼貝の放射状線をチェック!
迷ったら、貝の内側で確認するのが一番確実。
タイワンシジミはカネツケシジミ型と内側全体が濃い紫色の2パターンであることがほとんどです。

参考文献

今回参考にした図鑑は、
増田修・内山りゅう著
『日本産淡水貝類図鑑②汽水域を含む全国の淡水貝類』(ピーシーズ)

もう市販されていないので、図書館で見てみてください。
古いですが良い本ですよ。

日本淡水貝類図鑑〈2〉

おまけ

おまけで、優秀な長靴の紹介
軽くてコンパクトなので、車などに忍ばせておいて、シジミを見つけたらすぐに水場に直行できます。
さらにおしゃれなので、街中の水路でも違和感なし。
なんなら長靴のままおしゃれランチでもオッケーです。
しかも、普通の長靴よりも丈夫で長持ちします。
売れている理由がわかります。

あと、水辺の生き物全般に興味があるなら、『NEO水の生物』(小学館)が最高です。
海水・淡水の生物を広く扱っていて、水辺環境やその成り立ち、分類や進化など生物の基礎的な部分もかなり含んでいます。
オススメよ!

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